PAC7 at JALT2008

常識への挑戦-内から、外から

JALT(全国語学教育学会)は、第33回年次大会を国立オリンピック記念青少年総合センターで開催いたします。本大会では、第二言語・外国語としての言語教育の理論と実践を様々な角度から考えてみたいと思います。応用言語学の歴史はおよそ30年で比較的若い領域ですが、目覚しい発展をとげてきました。学習者がどのようにして第二言語を習得するのかについて、最近の言語習得理論・言語教育論では、言語習得を個人の領域ではなく社会的現象としてとらえる見方が強くなっています。この流れにより言語学習はより包括的に捉えられるようになってきましたが、その一方で言語教育の領域は多様化・細分化してきています。このように新しい理論や考え方が次々と出てくる状況の中で、言語教師、言語教育管理者、応用言語学者である私たちはどのように対応すればいいのでしょうか。本大会では、「学習はどのようにして生まれるのか」「教師はどのように教育環境を構築すべきか」「なぜ外国語・第二言語を教えるのか」などについての問いかけを行い、言語教育を再度見直してみたいと思います。

見直すにあたって、以下の3つの側面について、共に考えてみましょう。

• 中核的、マイクロのレベル:言語学習はどのようにして生まれるのか。
言語学習とは、教師から学習者へ、知識やスキルを一方的に伝授することでしょうか。それとも、教師と学習者が共に参加する相互的作業でしょうか。

• 政策、制度的レベル:学習者は、何を学ぶのか。
教師は生徒・学生を「言語の学習者」として考えているのでしょうか。それとも「言語の使用者」として育てているのでしょうか。言語の基礎を学ばなければ、応用に進めないという思い込みはないでしょうか。言語の知識やスキルがなければ、学習者は「内容」を学ぶことはできないのでしょうか。

• 社会的レベル:なぜ言語教育・言語学習を行うのか。
私たちは、社会のニーズに応えているでしょうか。学習者が国際的な市民になることを支援しているでしょうか。

JALT2007では、皆さんと共にこのような問いかけに対する答えを探したいと思います。言語教育の研究は日ごとに変化しています。この年次大会が次世代のJALT に向けての研究と実践にいくつかの方向性を示してくれる大会になることを願っています。

JALT2007年次大会委員長 カイト由利子